法学部ってどんなとこ?

 

法学部は法律学科だけでなく政治学科もあったりするので、政治も学べたりする。

法律を政治で実践して、フィードバックして法律を作ってくという循環。

 

法律学は、実定法学と基礎法学にわかれてて、基礎法学は比較法とか外国法とか法制史みたいな今後の立法とかに役立てる勉強をする、実定法学は日本国内で現在有効で主要な法律について勉強する。

 

実定法学で勉強するのは、まず、憲法、民法、刑法、行政法、商法・会社法、民事訴訟法、刑事訴訟法が基本で、憲法、民法、刑法、商法・会社法は権利義務などの内容とか要件とかを定める法律(実体法という)で、行政法、民訴法、刑訴法は実体法を実現していく手続を定める法律(手続法)。

それから租税法、国際法、情報法、知的財産法などの主要ジャンルも勉強する。

 

法律学の勉強の基本は、具体的な事件に法解釈をどう当てはめられるか、という形で事件の法的解決を目指すもの。法律は、要件を満たせば法的効果が生じ、満たさなければ生じない、というもので、どういう要件があるかを法解釈によって特定する。事実や条文をどう捉えるか、認識するかに尽きる。

事件を解決するには、証拠の解釈、事実の解釈、法解釈・適用の三段階があって、メインは後二者。

具体的には、この事件はこの条文が適用できそうだ、この条文を判例・通説はどう解釈しているか。研究者を目指すなら判例通説少数説を比べて自分はどう考えるかを示す。司法試験志望なら、判例の法解釈に合わせて、事実を解釈して、判例がこの事件にも当てはまる、当てはまらないってのを説明する。

その説明をするときに大事なのは、法的作文のお作法。法的三段論法とかいうけど、実際には五段論法(①論点提起、②法解釈、③事実解釈、④当てはめ、⑤結論)を大きい括り、小さい括り縦横無尽に駆使して読者を説得する。論点とは、人によって解釈が分かれるところ。判断の分かれ目、ルート分岐点。

なぜ解釈が必要かというと、条文に「正当な理由がない限り」とかあったときに「正当な理由」として認められるのは何かっていうのは判然としない(不確定概念という)から、その法制度の趣旨目的とか類似の法制度と比べたりして意味する範囲を限定したり、他の法制度との区別のため、あるいは憲法の保障する自由を侵害しないために書かれざる要件を設定したりして、判定基準を作る。

 

研究者志望や法曹になった人ならば判例学説を整理して自分なりの法解釈を立てたり、裁判例の当てはめの当否を論証したりする。

定期テスト対策や司法試験志望の人は、法解釈については各種参考書にいくらでも載っているので覚えればよいが、当てはめ、すなわち、事実を解釈して要件に合致するかどうかを判定する作業が大事になってくる。要件を並べ立てて、それに沿って設問の事実を対応させて書くのは基本だが、それが通用するのは初心者までで、事実にも一見して要件を満たすか判然としないものがあるから、それをどう解釈するのが妥当で、どうしてその要件を満たすといえるのか自分の認識過程を言葉にしてを説得的に説明することが必要。

注意しないといけないのは、答案に厚く説明を書くべきこととあっさり流すべきことの判断である。事実の解釈が分かれる可能性が低い事柄、つまり一見して明らかに要件を満たす満たさないがわかることや、あるいは設問のメインテーマになっていない論点についてまで、くどくど説明しないように気を付けること。書く時間も解答用紙も足りなくなるし、要点がわかっていないバランスが悪い答案として評価が低くなる。

 

法律学は論理性を重視するし、いろんな解釈がありえるので、事件がある法制度に当てはまるか当てはまらないかというときに、検討過程が論理的ならば結論はどちらでもよいし、本職ですら結論が異なることもありえる。

判断基準を自分なりに作ってもよい。なぜなら、もし裁判官になり、判例のない、新しい法律に関する事件を担当することになったときに、自分で作り出さなきゃいけないから。ただ、大学の試験や司法試験では判例を覚えることが大事(条文は六法持込可なので覚えなくてよい)だが、判例自体の解釈も必要ではある。

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